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用語欄
著者: 西川滇八
所属機関:
ページ範囲:P.440 - P.440
文献購入ページに移動環境汚染によっておこる人の健康被害と農作物,その他の物的被害は,汚染者が負担して補償すべきである,という考え方が,"汚染者負担の原則"である.それは,汚染防除費用を政府が負担するのでは,納税者全体が負担することになり,これでは不公平である,ということからの発想である.しかし,汚染者が防除費用を負担することになれば,製品価格にこれを加えることとなり,消費者負担になることは明らかであるが,あまりこのことは広く理解されていない.多くの人達は,環境汚染は単に汚染者が有罪であり,処罰されなければならない,という"汚染者処罰の原則"として認識している.一方,国際的な経済原則としては,消費者負担の原則は,国際貿易におけるダンピングの歪みを防止することと,資源の配分を均等化するのに役立つ,という効果があるとされている.
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