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医療社会事業の実態
著者: 湯沢布矢子1
所属機関: 1厚生省地域保健課
ページ範囲:P.527 - P.530
文献購入ページに移動近年,社会の近代化,複雑化にともない,また学問の進歩,技術革新等と相まって,患者対医師との1対1の関係にあった医療のパターンも,さまざまな変貌を遂げている.傷病構造の変化をみても,社会的要因に起因する傷病——成人病,精神障害,不慮の事故,公害による疾患等の急激な増加があるし,医療受給者側の権利意識や一般住民の健康への要請も一段と強調されつつある.
一方,医療を供給する側からいえば,技術の高度化による関連職種の専門分化を生み,望まれる姿としてのチーム活動が不十分なために種々の混乱が生じ,問題が錯綜している.地域医療とか患者の総合ケアとかいっても,まだ理論のみが先行し,プライマリー・ケアの現状でさえ,混沌たる様相を帯びているのが実態であろう.
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