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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生43巻1号

1979年01月発行

特集 医師会の地域社会活動

救急医療システム—鎌倉市医師会

著者: 内藤悌三郎1

所属機関: 1鎌倉市医師会

ページ範囲:P.37 - P.42

文献概要

■はじめに
 鎌倉市ではコンピュータによる情報収集システムを,昭和49年11月から発足させた.電算機を救急医療システムに取り入れることは世界で初めての試みであり,情報システムは救急システムの一部にずぎないのにもかかわらず,あたかも理想的な救急システムが完成したように受け取られた.それは,その頃ジャーナリズムが"たらい回し"を中心として夜間救急問題を取り上げ,住民はいっそう不安感を煽られて,理想的な救急システムの出現が社会的願望となっていた,という背景によった.
 いうまでもなく救急システムは,応需システムの完備がその根本である.情報システムは従であり,コンピュータがなくても電話コントロール・システムでも事は足りる.しかしながら,コンピュータ・システムは単に情報収集にとどまらず,応需システムの乏しさを補い,その機能を十分に発揮させるのに役立つことがわれわれの経験から判明した.東京・大阪級の大都市以外の多くの地域では,三次に該当する大病院はなく,二次を担当する病院すら十分でないのが普通である.鎌倉市の場合にも公的病院はなく,三次に当たるものはない.二次すらも,夜間救急に対応するには困難な内情をそれぞれに持つ私的医療機関のみである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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