icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生43巻10号

1979年10月発行

文献概要

特集 心身障害児

心身障害児対策の現状と課題

著者: 尾村偉久1

所属機関: 1(東京)国立小児病院

ページ範囲:P.680 - P.687

文献購入ページに移動
■はじめに
 わが国の心身障害児対策は,今次大戦の終結を迎えるまでは,富国強兵の国策に覆われて皆無に等しく,すべて個々の家庭の問題として自然淘汰の流れに委ねられていたと言っても過言ではない状況であった.戦後,経済復興,国民生活の尊重という社会の潮流とともに,福祉国家建設の基本思想のもとに,社会的・生活的な弱者——母子,生活困窮,心身障害,老齢など——に対する対策が急速に進展,整備されてきたのであるが,心身障害児対策もその流れに乗って,施設対策を主として著しい進展を遂げてきた.しかしながら,わが国はもとより,世界の多数の国々が,数年来の石油資源問題以来,従来の高度経済成長から減速安定経済社会に転換せざるを得なくなり,政策転換のシワ寄せが,ややもすると福祉政策,特に単純に社会的な負担と軽視されがちな心身障害対策に転嫁されることを惧れるものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら