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特集 感染病の国際的動向とその対策
「全世界痘瘡根絶計画」の発足から完成まで
著者: 北村敬1
所属機関: 1国立予防衛生研究所痘瘡ウイルス室
ページ範囲:P.855 - P.855
文献購入ページに移動痘瘡はウイルス性出血熱の一種で,罹患者の30〜40%が全身の発痘と血管障害で死亡する.しかし,1798年,Jennerにより開発された予防接種(種痘)の効果は確実で,全国民を定期種痘する政策により1950年代までに多くの先進国においては痘瘡根絶を達成していた.熱帯地方,開発途上国などでは,繰り返し試みられた国民皆種痘政策にもかかわらず,衛生行政組織の不備による種痘もれ人口の残存,冷蔵設備の不備によるワクチンの失活などが原因で,Jenner当時とあまり変わらない大流行が根強く残っていた.1955年,イギリスのCollierが凍結乾燥ワクチンを開発したことにより,種痘は技術的にきわめて容易なものとなった.
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