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特集 感染病の国際的動向とその対策
マラリアの最近の動向
著者: 大友弘士1
所属機関: 1岐阜大学寄生虫学
ページ範囲:P.865 - P.869
文献購入ページに移動かつて世界210カ国(領域を含む)総人口の63.4%が居住する148カ国の風土病であったマラリアは,世界保健機構(WHO)によって推進された「マラリア根絶計画」(Malaria Eradication Programme;MEP)の実施により,1974年までに欧州,北米,台湾など37カ国で終熄がみられた.しかし,このように当初,顕著な成果を示したMEPにも最近になって各種の問題が派生し,それに関連して今なお広大な熱帯地域の猖獗を阻止するに至らぬほか,1970年頃からはいったん防遏に成功した多くの地域にも流行の再燃が報告されるようになった.
その結果,マラリアは依然としてアフリカ,中南米,東南アジア,オセアニアなどを包含する熱帯諸国では今なお重要性を示しているのが現状であり,全世界的な問題を惹起している無マラリア諸国に対する輸入マラリアの温床ともなって,本症の新たな局面を展開しているといえよう.
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