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癌の化学療法
著者: 小川一誠1 名倉英一1
所属機関: 1癌研化学療法科・癌化学療法センター臨床部
ページ範囲:P.886 - P.889
文献購入ページに移動近代の癌化学療法の歴史は,1949年,米国のSidney Farber1)が小児急性白血病の60例に,aminopterin,amethopterin(methotrexate)等の葉酸拮抗物質を投与して半数以上の症例に血液学的,臨床的改善を認め,またリンパ肉腫,ホジキン病,神経芽細胞腫にも有効であったと報告したことに始まる.よって,まだ歴史は浅く,約30年である.この間に新しい抗癌剤の相次ぐ発見,有用な併用療法の開発,および化学療法を行なう時の支持療法の進歩により,目覚ましい発達を遂げ,今日に至っている.例えばその成果は,小児急性リンパ性白血病では約50%の症例に治癒が可能となりつつある事実によっても明らかである.
本稿では,癌化学療法の全体を詳述することは不可能であるため,その適応,方法,有効性につき簡略に記述したい.
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