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特集 地域精神衛生活動
病院を中心とした地域精神衛生活動—茨城県立友部病院
著者: 羽田忠1
所属機関: 1茨城県立友部病院
ページ範囲:P.164 - P.168
文献購入ページに移動精神衛生活動の中で,本来,その中核であるべき精神病院が,従来,果たしてきた役割は,極めて小さなものであった.この時期においては,地域と精神病院の関係は,地域が主で,病院が従で,病院は,地域内に発生した患者をただ地域から隔離し,治療し,地域に戻す,という役割しか果たしておらず,それ以上の活動を行なう必要も,また行ない得る力もなかった.
しかし,精神安定剤の出現は,このパターンを根本的に変えてしまったといえる.すなわち,精神安定剤の使用の結果として精神病院内に現われた変化の主なものは,患者の社会復帰が可能となったことと,外来治療ができるようになったことである.そして,多くの患者が退院し,地域社会に戻って行くことができたのである.ところが,その次の時点で,精神病院は大きな問題に直面せざるを得なくなった.
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