文献詳細
特集 環境汚染による健康被害者の救済
公害事例別にみた補償・救済の現状と問題点
文献概要
■はじめに
PCBによる環境汚染,そして食品公害・商品公害として争われたPCB中毒=カネミ油症事件が,1968年2月から11月にかけて歴史上未曽有の事件として西日本一帯に発生して以後,既に11年たった.
その間,被害者は認定患者だけでも1,655人(死亡58人を含む)(1978年6月15日現在)に上り,未確認被害者を含めると約14,000人に達するであろうとされている.しかし,補償と救済については,今日なお不幸にして何らの見通しはなく,判決闘争(後述)または条件付個別折衝によって,ごく僅かの慰謝料という名目の"補償"を辛うじて獲得したにすぎなかった.
PCBによる環境汚染,そして食品公害・商品公害として争われたPCB中毒=カネミ油症事件が,1968年2月から11月にかけて歴史上未曽有の事件として西日本一帯に発生して以後,既に11年たった.
その間,被害者は認定患者だけでも1,655人(死亡58人を含む)(1978年6月15日現在)に上り,未確認被害者を含めると約14,000人に達するであろうとされている.しかし,補償と救済については,今日なお不幸にして何らの見通しはなく,判決闘争(後述)または条件付個別折衝によって,ごく僅かの慰謝料という名目の"補償"を辛うじて獲得したにすぎなかった.
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