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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生43巻9号

1979年09月発行

文献概要

講座 臨床から公衆衛生へ

学童と骨析

著者: 鄭仁秀1 桜井修1

所属機関: 1兵庫医大整形外科学

ページ範囲:P.644 - P.645

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はじめに
 骨折とは,「外力によって骨組織のある部分の連絡が絶たれた状態」をいう.しかし,骨折はそれを起こす外力の作用の方向,力の大きさや個人差による強さにより,種々多様である.とくに年齢は重要で,小児期の骨折は成人の骨折とは異なり,極めて特徴的な像を呈するものである.
 まず,解剖学的にみると,その特徴として小児の骨には成長軟骨があり,成人骨よりもより厚く強い骨膜を有する点が挙げられる.このため骨折に際しては,仮骨形成が成人より早く,しかもより過剰に行なわれる.生物力学的には,小児の骨は成人の骨に比べて,骨皮質のハーバース管の占める割合が多いため,張力に強く,圧縮力には弱く,このことによって特殊な骨折が生じることがある.また,成長軟骨の損傷により,骨折そのもののその時点の変形のみならず,発育に伴う漸増性の変形や神経障害などが起こり得る.日常臨床的治療を行なう場合には,これらの点に注意と配慮が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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