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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生44巻10号

1980年10月発行

文献概要

講座 感染症とワクチン

【Ⅲ】百日咳患者発生と百日咳ワクチン

著者: 杉下知子1

所属機関: 1東京大学母子保健

ページ範囲:P.725 - P.730

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 百日咳は,百日咳菌(Bordetella Pertussis)によって気管支および小気管支が冒され,特有の咳を伴う伝染病である.戦前までは乳幼児を中心として大流行し,人口の70%前後が一度はかかったものと推定され,とりわけ乳児では重症化し致命的になる例も珍しくなかった.
 我が国では,1948年から百日咳ワクチンの接種が始まり1),また抗生物質の使用などで,患者数が激減し,一時百日咳は見当たらなくなったかに思われたが,1975年のいわゆる三混事故以後の接種中断によって患者数が急激に増加した.これは,百日咳ワクチンがいかに有効であるかを実証したことになった.ワクチンが使用されていない発展途上国では,百日咳は今なお重症な小児伝染病である.ワクチンの改良も世界に先がけて我が国で進められているので,これらの動向を紹介する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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