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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生44巻11号

1980年11月発行

文献概要

発言あり

"たばこ無害論"

著者:

所属機関:

ページ範囲:P.743 - P.745

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喫煙の害とその他の負荷因子の多い現代を憂慮
 たばこはすわない方がいい.無害であると主張できる根拠は持っていない.煙をすうよりは,新鮮な空気をすっているのがよいことは,幼児だって断定するだろう.都会の空気汚染地帯に住んでいる者は格別で,好むと好まざるとにかかわらず,刺激性物質の吸入を強いられているのであるから,その上喫煙によって刺激を加えれば結果はよい方向にむかうはずがない.さらに,現代生活のストレスが健康に及ぼす影響は非常に大きく,むしろこのストレスこそ,たばこ以上に問題があるのではないだろうか.
 世界の三大長寿国として,パキスタン北部のカラコルム山中にあるフンザ王国,南米エクアドルのアンデス山中にあるビルカバンバ地方,ソ連の西南部のコーカサス地方があげられている.これらの地方では100歳以上でも性生活が可能で子宝に恵まれ,130歳位までは30〜40歳の若い人たちと一緒になって働いているといわれ,酒もたばこもあるが,いずれにしても全くストレスのない生活がつづけられている.また,これらの国は標高1,000〜2,000メートルの高地で,空気,水,湿度などの自然環境が抜群にすぐれた地帯である.生活は自然に密着し,食物には野菜,果物,山羊乳から作るヨーグルトなどがふんだんに用いられ,その土地でとれたものをできるだけ自然に近い形で食べている.しかも,一般に小食でやせている体形が共通している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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