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特集 救急医療計画
中毒センター
著者: 鈴木健一1
所属機関: 1大阪府衛生部母子保健総合医療センター建設準備室
ページ範囲:P.835 - P.841
文献購入ページに移動われわれの周りには,医薬品をはじめ家庭用薬品,農薬,工業用薬品,ガス類などさまざまな種類の化学物質が氾濫しており,これらのものを知らず知らずの間に,または誤って,あるいは意図をもって摂取したり,これらに接触したりしたために起こった中毒が,かなりの数に達していると考えられている.中毒は発見や手当てが少し遅れると,時には死や廃疾をもたらし,またそれほどでないにしても,周囲に無用な経済的・精神的負担を強いるものである.また結果的には中毒に発展しないような乳幼児の誤飲事故であっても,母親は心配のあまり子供を連れて病院に駆けつけることが多く,その際,救急車を利用することもしばしばである.
欧米では早くから中毒コントロール(治療と予防の組織的活動)が重要視され,各地に中毒センターと呼ばれる施設が設けられてきた.そして今では,これらのセンターはそれぞれの国または地域の救急医療体制と密接に関係しながら活動することが,常識のようになっている.
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