icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生44巻2号

1980年02月発行

文献概要

特集 公衆衛生における栄養

生活科学における栄養—食生活学への期待と栄養学研究のあり方を考える

著者: 木村修一1

所属機関: 1東北大学(農学部)栄養化学

ページ範囲:P.97 - P.102

文献購入ページに移動
■はじめに
 まず,初めにお断りしなければならないことは,編集子から与えられたテーマとは内容が大分ずれているということである.筆者は現在,生活科学をやっている者ではなく,栄養学の一研究者である.したがって,表題のテーマを論ずる資格に欠けているのである.ここで述べようとしていることは,一口で言えば「食生活学」ともいうべきものへの期待と,栄養学をやっている者の反省といったものになろう.それにもかかわらずあえてペンをとったのは,まず第一に,食生活をよりよいものにするために,栄養学がどれだけ寄与してきたのであろうかという,筆者の中にあった疑問をベースに,今後,栄養学の進むべき方向を考えてみようと思ったこと,第二に,かつて生活科学とは何ぞや,生活科学における食の研究はどうあるべきか,等々について,ささやかながら筆者らのグループがアプローチを試みたことがあったが,それらに関するディスカッションの要点などをここに述べておくことが,今後のこの面での議論に役立てばという気持ち,そして第三には,日本における食生活研究がどのような人,グループによって推し進あられてきたか,その歴史を振り返り,これからの食生活学とでも言うべきものの今後のあり方を考えてみたいと思ったこと,これらの事由からにほかならない.
 もちろん,筆者の独断も多く,本論文の内容についての責任は,すべて筆者にあることは言うまでもない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら