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特集 第20回社会医学研究会総会報告
要望主題Ⅰ 抄録—大都市地域の社会医学的分析
著者: 朝倉新太郎1 山田信也2
所属機関: 1大阪大学医学部公衆衛生学教室 2名古屋大学医学部公衆衛生学教室
ページ範囲:P.160 - P.182
文献購入ページに移動■はじめに
現在,わが国の市部人口は全人口の75%を超えている.そのうち,いわゆる10大都市に住む人口だけでも全人口の20%を超えている.つまり,都市地域こそが現代の日本人にとっては主要な住み家なのである.したがって,農村社会が支配した時代では,都市は特定の機能を果たす国土の一部分と見なされ,都市化に伴って発生する種々の生活妨害や混雑現象もある程度免責されてきたかもしれないが,現在はもうそれは許されないことである.都市を本当に人間らしい暮らしができるところとして構築できるか否かということは,今後のわが国の保健問題の最大の課題である.
ところが,よく知られているように,1955(昭和30)年代以降のいわゆる高度経済成長時代に爆発的に進行したわが国の都市化は,上述のような理念によって導かれたものではなかった.
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