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特集 かびと健康障害
かび毒の化学
著者: 山崎幹夫1
所属機関: 1千葉大学生物活性研究所活性天然物化学研究部
ページ範囲:P.470 - P.476
文献購入ページに移動かび毒による健康の障害については最近,一部の専門家の間でその認識がようやく高まりつつあるが,まだ一般に正しい知識が普及しているとは言いがたい.それは恐らく,かび毒による健康障害が甚だとらえにくい実態を有することによるものと思われる.その詳細については別章に述べられると思うのでここでは詳述しないが,経過のはっきりした急性障害の発現するかび毒中毒の例はごくまれであり,多くは癌を主とする複雑な慢性障害として現われる.一方,かび毒と呼ばれる化合物にどのような化学的特徴があるかを考えてみると,結論的に言って,これにはあらゆるタイプの化合物が含まれる.こういう実情がかび毒の研究を非常に難しくしていると言えるだろう.
以下に,かび毒の化学と,作用の発現に及ぼす構造的要因の概略を述べる.
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