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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生44巻7号

1980年07月発行

文献概要

特集 かびと健康障害

マイコトキシンによる健康障害

著者: 大坪浩一郎1

所属機関: 1東京都老人総合研究所臨床病理部

ページ範囲:P.477 - P.484

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■マイコトキシンとは
 糸状菌(かび)が産生する二次代謝物中,ヒトや家畜などに有害作用を示すものをマイコトキシン,かび毒と呼んでいる.これによって起こる食中毒(あるいは食餌性疾患;foodborne disease)を真菌中毒症(mycotoxicosis)と呼ぶ.真菌による食中毒としては古くからキノコによる中毒,麦角菌による中毒(ergotism)が知られていたが,二次代謝産物であるマイコトキシンによる中毒症の認識は比較的新しい.第二次大戦後,東南アジア,エジプト,スペインなどから輸入された米から,強い肝臓障害を起こすかび毒を作るPenicillium islandicumが分離された"黄変米事件"を,まだ記憶している人も多いであろう1)2)
 マイコトキシンが世界的に注目を浴びるようになったのは,1960年代初めのaflatoxinの発見以後である.しかし,この極めて強い発癌物質をはじめ,マイコトキシンがヒトの健康障害,発癌に関連があるに違いないと考えられてきたのは,せいぜいここ10年くらいのことである3)〜6)13)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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