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連載 戦後の公衆衛生
【Ⅳ】食生活と健康
著者: 麦谷眞里1 北井暁子1 安達一彦2
所属機関: 1厚生省統計情報部 2東京大学公衆衛生学教室
ページ範囲:P.510 - P.512
文献購入ページに移動昭和20年,占領軍最高司令官から日本政府にあてた「一般住民の栄養調査を実施すべき」旨の指令に基づき,国民栄養調査が始められた.当初,その目的は,日本人の栄養状態を統計的に知って,どのくらいの緊急食糧を必要とするかという科学的根拠を作ることにあったが,その後,調査対象の範囲が拡大され,さらに27年,栄養改善法が制定されるなどして,占領行政から離れた栄養改善事業の1つとしてこの調査は重要なものとなっていった.
現在,この調査は,国民全体を対象とし,標本抽出法によって,栄養摂取の状況のみならず,体位,血圧,脈拍,身体症候などの調査についても,対象者を細かく分類して行なわれている.中でも昭和33年以来行なわれている血圧の測定は,成人病対策上にも重要な統計資料として使われている.
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