icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生44巻9号

1980年09月発行

文献概要

発言あり

敬老

著者:

所属機関:

ページ範囲:P.597 - P.599

文献購入ページに移動
《敬老》の言葉いらぬ時代を願う
 老人学級で,そのものズバリ,敬老とはどういうことであってほしいですか,とのぶしつけな質問をしてみても,遠慮深い高齢者の方々からは,答えは返ってこない.《敬老》イコール《敬老の日》という短絡があって,《敬老の日》設立の是非論になってくる.
 敬老はあくまでも,心の問題であろうが,精神主義では現実の老人を救えない.具体的に,敬老を表わす施策が考えられねばならない.形の上で,老人に席をゆずらなかったからといって,それで敬老心がないなどと,短絡的に反応する愚は,人生経験豊かな高齢者はすべきではない.医療費が無料化したからといって,病院をサロン代わりに使ったり,高額所得がありながら,無料でみてもらおうとするような心がけの悪い方に,《敬老》される資格があろうか,とも思う.しかし,そういうエゴをも包容するような寛容さも望ましいのだが——.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら