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特集 身体障害者の地域ケア
在宅生活援護の視点と方法—脳卒中後遺症者のリハビリテーション
著者: 大田仁史1
所属機関: 1伊豆逓信病院第二理学診療科
ページ範囲:P.635 - P.640
文献購入ページに移動横山氏の推定1)によると,東京都において,脳卒中患者のリハビリテーション(以下,リハと略す)のために,なお1,700床の専門ベッドが必要であるという.この試算は数年前に行なわれたものだが,それ以後,事情が好転したという話は聞かない.
つい先日の脳卒中患者の会でも,「入院中の病院でリハを行なってもらえないので,どこかリハの病院を教えてほしい」とか,「リハの病院を退院させられるのだが,その後どうすればよいだろうか」という質問を受けた.リハを受けようにも,その資源は少なく,また幸いリハ専門病院に入院できても,退院後の長期的なケアが受けられない.入院もできず,急性期から家で療養しているものはいうに及ばないが,たとえ一時期訓練をしても,それからの生活が不活発であれば,彼らはたちまち機能低下を来たし,ねたきりへの道をたどることになる.脳卒中センターが必要であるとか,リハセンターが必要であるとか,机上に理想を描くことは容易である.しかし,それだけでは今の問題の解決には役に立たない.難しい作業ではあっても,既存のシステムの中に新しい運用の手段を見出す方が,はるかに現実的である.
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