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特集 公衆衛生の分野における国際化 事例
カンボジア難民キャンプを視察して
著者: 岩淵定1
所属機関: 1日本大学神経内科
ページ範囲:P.58 - P.61
文献購入ページに移動私どもは,1979年12月末,日本政府の命によりカンボジア難民救済医療の日本政府の大学第一次チームとしてタイに派遣されました.当時,私どもにはカンボジア難民収容所がいかなる状況下にあるのか,また,収容所において難民はいかなる環境下にあるのか,全く予備知識が与えられておらず,したがって,いかに難民に対し医療活動を進めるべきか,具体的な計画をも準備できずに現地入りしたわけです.
私どもの短い任期の間(1979年12月末から1980年3月末まで)に,難民収容所の内外の情勢は生き物の眼のように目まぐるしく変化していました.現時点においては,急速な国際社会の関心の高まりに伴って,本格的な国際的人道的援助が行なわれるに至り,タイ内に散在する各地の難民収容所は安定化するとともに新たな時期を迎えているように思います.この報告は,現在のカンボジア難民の問題ではなく,私の任期中の仕事に限定してのレポートであることを予めお断わりしておきたいと思います.
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