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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生45巻10号

1981年10月発行

文献概要

特集 予防接種 各種予防接種の要点

インフルエンザワクチン

著者: 北山徹1

所属機関: 1関東逓信病院小児科

ページ範囲:P.766 - P.768

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 近年社会情勢の変貌,化学療法の発達,予防ワクチンの開発などによって,多くの伝染病の発生率は激減し,その様相も著しく変化してきた.しかしインフルエンザはポリオや麻疹などと違って,その制圧にはかなり難かしい点があって1),予防ワクチンも1944年ごろから実用化されながら,いまだほとんどその姿を変えず,毎年のように冬を迎えると規模の大小はあっても流行を繰り返している.わが国の統計であまり大流行のなかった1970〜75年の6年間でも,患者届け出数は約53万人,死亡者数9,147人にのぼり,また学童の最近の罹患者数をみると,1977年260万人,1978年300万人,1979年24万人で,休校数も2,438,1,714ならびに245となっている.さらにインフルエンザの流行に伴っての超過死亡数も大きな流行では1〜2万人,人口10万対平均32.9人という値を示している(米国の2〜3倍)2)
 ところでわが国では,おもに学童・生徒が高い感染率をもち,その流行増幅と,さらに家庭など周囲への主要なウイルス撒布者になるという流行疫学理論が,アジアかぜなどの経験から考えられ,学童・生徒を中心にした接種により社会への影響を減少させようとする意図で,1962年から勧奨接種,1976年からは義務接種として毎年くり返し実施されてきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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