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特集 予防接種
BCG接種(結核予防法)
著者: 松島正視
所属機関:
ページ範囲:P.788 - P.794
文献購入ページに移動BCG接種は結核に対する予防接種であるが,他の予防接種とは別に,結核予防法で規定されている.結核予防法は昭和26年に制定されたが,予防接種の他,健康診断,屈出・登録から医療にいたるまでの広汎な規定を含んでいる.BCG接種は本法制定前から始まっていたが(国民体力法昭和19年,予防接種法23年),26年本法制定と共にその中に組み入れられ,同時に,接種対象が拡大され,本格的に励行された.すなわち,国民は0歳から29歳まで,毎年ツ反応を検し,陰性・疑陽性者にはBCG接種,陽性・疑陽性者にはX線間接撮影を中心とした健康診断が行われた.以後49年の改正までに,全年齢を通じての既接種者の率は28年の34.1%から48年の58.5%に上昇し,5〜34歳では80%を越えた.しかし,完全に励行されていたのは小・中学生で,乳幼児の接種率はなお低く,0歳19%,1歳43%,4歳で初めて70%台となっている2).
現行法は49年に改正された3,4,5).旧法では毎年ツ反応を検して陰性・疑陽性者にその度にBCGを再接種したが,現行法では他の予防接種と同じく定期接種となり,第1回は0〜3歳(4歳に達するまでの期間),第2回は小学1年生,第3回は中学2年生**にツ反応を検し,陰性者にBCGを接種する,と定められた.なお,第2回,第3回にBCGを接種した者は翌年再びツ反応を検することになっている(陰性者は再接種).
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