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特集 予防接種
予防接種センターと地域医療—その役割りと現況
著者: 村瀬敏郎1
所属機関: 1渋谷区医師会予防接種センター
ページ範囲:P.795 - P.799
文献購入ページに移動予防接種センターは予防接種を専門に取扱う診療所ではあるが,医療法上の一般的な診療所とは多少その性格を異にしている.わが国の伝染病予防対策においてその主軸ともいえる予防接種法を背景に,行政の行う感受性対策の充実,補完が予防接種センター発足当初からの大きな役割りを占めているからである.
東京都の特別区においては昭和38年以来区長の行う予防接種が地区医師会に業務委託されており,各医師会は接種率の向上を含めた業務の遂行に工夫をこらしていた.しかし,その手段として渋谷区医師会が予防接種センターを開設した昭和43年当時は,センターという名称の妥当性に執ような疑義が投げかけられこそすれ,その役割りについてはいささかの社会的反響もおきなかった.予防接種行政は一見無風状態にあり,感受性対策を地域医療に包括する論議も実践にはほど遠い段階にあった.
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