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特集 精神衛生の展開
精神科リハビリテーションの実際
著者: 臺弘1
所属機関: 1社会福祉法人創造印刷(東京,調布)
ページ範囲:P.930 - P.935
文献購入ページに移動筆者の意見1)では,精神科リハビリテーションの眼目は,対象者の「生活のしづらさ」を克服するための援助にある.問題を生活レベルにしぼるという点が特色で,これによって,それにかかわるさまざまの職種の人々が協力し合えるようになるのである.医学的にはいろいろな診断をもつ人々も,「生活のしづらさ」という点から見ると,かなり共通した苦労に悩んでいる.それらは,1)生活の仕方のまずさ,2)人づき合いの上でのトラブル,3)就労能力の不足,4)生活経過の不安定さ,5)生きがいの乏しさなど,である.もともと生活のしづらさとは主として病歴にかかわって生じたものではあるけれども,本人の性格,生活歴,現在の病状,おかれている環境状況によっても規定されている多次元的な現象である.
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