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綜説
乳癌危険因子に関する最近の疫学的知見
著者: 山田裕12 早川式彦3
所属機関: 1放射線影響研究所(広島)疫学統計部 2東京大学医学部公衆衛生学教室 3広島大学原爆放刎能医学研究所疫学・社会医学部門 4南カルフォルニア大学医学部地域医療学教室
ページ範囲:P.173 - P.179
文献購入ページに移動乳癌の発生には,加齢差(高齢者に多い),地域・人種差(欧米白人に多い),社会階級差(上流階級に多い)が認められ,初潮年齢の低い女性や閉経年齢の高い女性では,乳癌発生率の高いことが知られている.晩婚,寡産女性での乳癌好発は,初回満期産年齢が高いことで説明され,初婚年齢,娩出児数,授乳期間は,危険因子としての意義が少ないとされる.その他の乳癌危険因子として,電離放射線,薬物などが挙げられる.
これらの危険因子は,ホルモン(主にestrogen,prolactin)の発癌作用の面から病因学的に検討され,最近では,栄養や肥満が乳癌発生に及ぼす影響も示唆されている.
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