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特集 日常生活の中の健康づくり
地方都市における健康づくり施設の実績と問題点—八戸市総合健診センターの場合
著者: 戸張貢1
所属機関: 1八戸市総合健診センター
ページ範囲:P.206 - P.210
文献購入ページに移動「八戸市総合健診センター」(以下,健診センター)の現状および問題点について述べるまえに,全国に開設されている「健康センター」あるいは「健診センター」と運営の面で多少異なる点があるので,設立の経緯について簡単にふれることにする.
昭和39年,八戸市が新産業都市に指定されて以来,それまでの漁港,農村という都市構造に工業都市の要素が加わり,その結果として当然のことながら,公害という問題の出現に直面した.それを受けて昭和40年,行政,市医師会,事業所が連携して地域住民の健康を守るため「地域医療対策協議会」を発足させ,これにあたることになった.それ以来約10年,行政は組織づくりと予算措置を分担し,医師会は健診実行委員会を組織し,健康の企画と活動を分掌してきた.その間,関係団体間の意思の疎通や健診手技,学問的判定基準など多くの問題と直面し,そのつど試行錯誤を繰り返しながらも行政および医師会はそれぞれに施設健診と健康精度向上の必要性を痛感し,その当然の帰結として,行政,医師会,商工会議所による財団法人・八戸市総合健診センターの建設調査会が51年3月に設置され,53年7月竣工した.そして同10月,いわゆる市民総ぐるみの「八戸市総合健診センター」のオープンを見るに至り,現在の業務にあたっている.
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