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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生45巻5号

1981年05月発行

文献概要

特集 食品衛生

食品添加物の毒性と最近の話題

著者: 原田基夫1

所属機関: 1国立衛生試験所食品添加物部

ページ範囲:P.373 - P.379

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■まえがき
 最近の食生活の内容は大きく変化し,生鮮食料品に代わって加工食品が増加した.とくに,半調理食品あるいはインスタント食品が著しく増加してきているが,これらの背景には食品添加物の果たしている役割がきわめて大きい.すなわち,消費者の嗜好を満足させるための調味料,着色料,着香料などや,腐敗を防止するための保存料,食品の品質を改良させるための結着剤や改良剤など,あるいは栄養の強化や食品の製造に不可欠な添加物などがそれであって,現在では食品の一成分として存在すると考えてもよいくらいである.かくて消費者の要求にマッチした加工食品が広範に安価に流通するようになり,現代の食生活に多大の恩恵を与えている.仮に食品添加物が存在しなかった場合の食生活を想定すれば,その効用は理解できるものと思われる.しかし,食品添加物は食品に意図的に加えるものであるから,有害,有毒であってはならない.
 食品添加物の大部分は自然界に存在する化学成分と同一のものである.たとえば保存料の安息香酸をとってみると,無水フルタ酸から合成されるものと天然の安息香から得られるものとは同一である.また発色剤として用いられる亜硝酸塩では,アンモニアを酸化して生成する酸化窒素から作られるものと,天然の水や野菜に含まれる亜硝酸塩と同一のものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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