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■はじめに
多変量解析法1)2)とは,多くの個体について測定された多種の観測値から成る変数が与えられている場合に,それらの変数を個々に独立させることなく,変数間の相互の関連を分析する手法の総称で,電子計算機の著しい発展につれてここに数年来,経済学,心理学,農学,生物学,医学の分野で幅広く適用されている.
ところで,医学の領域における多変量解析の手法は,いわゆる計量診断3)において最も頻繁に用いられていたが,最近では,疫学調査に基づくさまざまな疾患のrisk factorの解析にこの解析方法を適用した研究も数多くみられるようになってきた4).周知のように,終戦後35年いわゆる感染症は激減し,それに代わってがん,高血圧症,動脈硬化といった成人病と呼ばれる非感染性の疾患が増加してきたが,検定を主とする一変量の解析から多数の変数間の相互関係を分析する多変量解析の発展が,上記の疾病構造の変化と軌を一にしている点は興味深い.
多変量解析法1)2)とは,多くの個体について測定された多種の観測値から成る変数が与えられている場合に,それらの変数を個々に独立させることなく,変数間の相互の関連を分析する手法の総称で,電子計算機の著しい発展につれてここに数年来,経済学,心理学,農学,生物学,医学の分野で幅広く適用されている.
ところで,医学の領域における多変量解析の手法は,いわゆる計量診断3)において最も頻繁に用いられていたが,最近では,疫学調査に基づくさまざまな疾患のrisk factorの解析にこの解析方法を適用した研究も数多くみられるようになってきた4).周知のように,終戦後35年いわゆる感染症は激減し,それに代わってがん,高血圧症,動脈硬化といった成人病と呼ばれる非感染性の疾患が増加してきたが,検定を主とする一変量の解析から多数の変数間の相互関係を分析する多変量解析の発展が,上記の疾病構造の変化と軌を一にしている点は興味深い.
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