文献詳細
文献概要
調査報告
アデノウイルス4型による咽頭結膜熱の集団発生
著者: 上羽修1 平松宗成1 井上正直1 石田立夫1 二宗壮夫2 宇野直道3 実成文彦4
所属機関: 1岡山県環境保健センター 2岡山県衛生部公衆衛生課 3岡山大学医学部ウイルス学教室 4岡山大学教育学部養護教育基礎医科学
ページ範囲:P.665 - P.668
文献購入ページに移動咽頭結膜熱は別名プール熱とも呼ばれ,遊泳用プールを媒体として爆発的に発生することが多い1).本症の流行は主にアデノウイルス3・7・14型の感染によるが,1・2・4・5・6型による散発例も明らかにされている2,3).殊に4型については,1979年D'Angelo4)がプールを介した咽頭結膜熱の大規膜な集団発生を報告しており,本症の新たな流行型とみなされた.わが国でも本型による急性熱性疾患などの感染症が近年急増しているが,咽頭結膜熱の報告は少ない.
1980年夏,われわれは岡山県倉敷市の一小学校で,プール媒介性と考えられるアデノウイルス4型感染による咽頭結膜熱の集団発生に遭遇した.そこで,その疫学調査と一般住民の抗体保有状況を調査したところ,今後も本型による咽頭結膜熱発生の可能性の強いことが示唆された.
掲載誌情報