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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生46巻10号

1982年10月発行

文献概要

特集 学校保健の今日的課題

児童・生徒の腎疾患

著者: 山本博章123 村上睦美3

所属機関: 1川崎協同病院 2川崎協同病院小児科 3日本医科大学小児科

ページ範囲:P.696 - P.701

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 学童期の長期欠席のうち疾病に基づく3大原因は,かつては結核,寄生虫症,トラコーマであったのが,近年は喘息,循環器疾患とともに,腎疾患が王座を占めるようになっている.
 一方,人工透析開始例は毎年4,000〜6,000人を数え,全国では現在4万人を超す人たちが人工透析を受けている.学校検尿の費用は,年間約30〜40億円といわれており,この金額は,透析の開始時期を数カ月遅らせることにより賄いうる額である.腎疾患の治療において,完治を期待できる医療手段は皆無といってよく,それ故生活管理が重要な位置を占めているといえる.さらに,慢性腎疾患はほとんどが不可逆性であり,かつ一旦,腎不全状態となると人工透析もしくは腎移植法しかなく,それすらも技術の進歩にもかかわらず,腎機能の低下,廃絶に対して生命の維持は可能としたが,多くの問題点をかかえている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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