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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生46巻6号

1982年06月発行

文献概要

特集 人口問題

人口・経済・福祉のモデル分析—人的資源の視点より

著者: 小川直宏1

所属機関: 1日本大学人口研究所

ページ範囲:P.375 - P.382

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 戦後の急激な出生力の低下と着実な死亡率の改善の結果,近年,日本の人口が急激に高齢化しつつあることは周知の通りである.現在あるいくつかの人口推計によると,21世紀の初頭に,わが国はいずれの西欧諸国も経験したことのない超高齢国になることが予想されている.またこの人口高齢化と共に,日本人口の高学歴化現象が出現することが確実視されている.このような高学歴化社会の出現の根底となっているのは,戦後の高等教育における進学率の急速な上昇であることはいうまでもない.さらにこれらの2つの重大な人口・社会的現象に加えて,1970年代に入り,高度成長経済から安定成長型の経済政策に重点が置かれ,その結果,公的年金・医療保険制度の度重なる改善が行われ,わが国の社会福祉レベルが大幅に上昇し,しかもこの傾向が依然現在も続いているのである.このような3つの変化が,今後の日本経済の動向に大きく影響を与えることは容易に予想されるところである.
 本稿ではこれらの人口変動及び社会的変化が,ⅰ)どのようなメカニズムにより,ⅱ)どの程度のインパクトを将来の日本経済に与えるかを,1980-2025年の期間について計量的に検討してみることにする.次節では将来人口変動を検討し,第Ⅱ節では計量モデルを簡単に解説することにし,第Ⅲ節では,シミュレーション分析の結果を,第Ⅳ節では政策的な課題を検討することにする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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