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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生46巻7号

1982年07月発行

特集 騒音

低周波騒音の現状と健康被害

著者: 武田真太郎1

所属機関: 1和歌山県立医科大学衛生学

ページ範囲:P.446 - P.451

文献概要

■低周波騒音について
 一般に,ヒトが音として感じる空気分子の疎密状態(圧力変動)の周波数はおよそ20Hzから20kHzの範囲で,この可聴音audiosoundより高い周波数の圧力変動を超音波ultrasonicsと呼び,20Hz以下の周波数の場合を超低周波音infrasonicsと呼んでいる.なお,超低周波音の同義語として低周波空気振動1,2)が環境庁などで用いられているが,物理的には可聴音と同じ現象であるから空気振動というのは適切でない.
 1973年にパリで開かれたColloque International sur les Infra-Sons3)での概念規定では,超低周波音の周波数範囲を0.1〜20Hzとすることで合意に達していたが,1980年アールボルグで開かれたConference on Low Frequency Noise and Hearing4)では,主勢力が超低周波音域にある騒音の比較的小さい音圧レベルでも,わが国をはじめイギリス,デンマークなどで苦情が出ており,そのスペクトルからみて,取り扱う周波数の上限を100Hz程度まで広げる方が,現実問題に対処するのに適するという意見が強く出されている.そこで,ここでは,周波数を20Hz以下に限定した場合には超低周波音と呼ぶが,50〜100Hzの音まで含めて検討しようとする場合には低周波騒音と呼ぶことにする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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