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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生46巻8号

1982年08月発行

文献概要

特集 肥満

肥満の成因論

著者: 下村洋之助1 小林功1

所属機関: 1群馬大学医学部内分泌内科

ページ範囲:P.513 - P.519

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 食糧事情の改善とともに,最近肥満人口が増加し,欧米各地を中心に,肥満は深刻な社会問題となっている.しかしながらヒト肥満の成因に関し,症候性肥満は,かなり詳細な研究がなされているが,肥満の95%以上を占めるといわれている単純性肥満の成因は,現在暗中模索の状態である.一方種々の実験モデルを用いた肥満の成因学は,最近著しい進歩をみせ,かなり解明されてきている.
 実験肥満のモデルは,大きく3つに分けられる.第1は,メンデルの劣性遺伝にもとづくob/obマウスおよびZuckerラット,第2は,電気凝固法,ナイフ切断法,Gold thioglucose投与等により作成されている視床下部性肥満,第3に,高カロリー食事摂取による食事性肥満である.最近ヒト肥満においても,赤血球〔Na+K〕ATP-ase活性値等の変化等が注目されている1,2)ことより,以下私達が研究している遺伝性肥満を中心に,最初ob/obマウスの肝〔Na+K〕ATP-aseに焦点をあて,順次実験肥満およびヒト肥満の成因について,述べてみたいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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