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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生46巻9号

1982年09月発行

文献概要

特集 老人の施設ケアシステム

ホスピスケアの現状と将来

著者: 前田信雄1

所属機関: 1国立公衆衛生院衛生行政学部

ページ範囲:P.603 - P.608

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 ホスピスという施設,ホスピスケアという活動や事業について各地で多くの試みがなされるようになったのはごく最近である.1970年代の後半から米国で急速に普及し,日本でも1980年代に入って,少数ではあるがホスピスケアを正面から掲げる事業が組まれるようになってきた.まず考え方が先にあって,その新しい考え方に合わせて実際事業が実施に移されてきたというよりも,先に先達による個別的な実行がとりくまれ,その事実や経験に対して種々の考え方が出され整理されてきたのがホスピスケアの特色である.
 しかし,米国でのホスピスとホスピスケアの施設と組織は200を越え,創始者の立場にある英国でもその数30を越えるようになった.米国連邦政府やブルークロス(非営利入院健康保険会社)がその実施に一部財政援助をし,英国でも国民保健事業からの費用支払いがなされるようになった今日,行政や研究者の間でも「ホスピスの在り方」「ホスピスケアの評価」が堀り下げて検討されるようになってきた.とりわけ,米国の老年学会や公衆衛生学会において大きくとりあげられるようになってきた.従来狭くホスピスという施設を中心に考えてきたのを変えて,ホスピスケアという末期患者に対する総合的な援助の考え方が共通関心となってきている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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