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研究
ラテックス凝集反応(トキソテスト-MT)によるヒト血清中のトキソプラズマ抗体の検査成績
著者: 近藤力王至1 大西義博1 吉村裕之1 赤尾信明1 坪田宣之1 室井早苗1
所属機関: 1金沢大学医学部寄生虫学教室
ページ範囲:P.47 - P.50
文献購入ページに移動1)検査依頼血清932名中236名(25.3%)に1:25≦の陽性抗体価を示し,対照群とした20歳代の健康女性398名中36名(9.0%)の陽性者率との間に明らかな差を認めた.これら血清の計1,330名について各抗体価別の該当者数の分布をみると,1:25を谷とする2峰性のパターンを示した.
2)本学附属病院内各科,関連病院および関係機関別に抗体保有状況をみると,屠場関係者に最も高く,陽性者率は39.1%,ついで内科38.2%,外科37.5%,関連病院36.0%,眼科27.5%,農協共済連20.0%,産婦人科16.1%,小児科15.2%の順であった.
3)妊婦170名の抗体保有状況は29名(17.1%)であった.一方,妊娠月齢ごとの抗体価保有状況ならびに平均抗体価をみると,対照群とほとんど差はみられなかったが,陽性者率では3または4ヵ月(25.0,26.1%),平均抗体価では3ヵ月(1:22.9±2.8)のものにやや差がみられた.しかし妊娠月齢が終齢に近づくに従って,ほぼ対照群との間に差はみられなかった.
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