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特集 住民参加と市町村保健
住民参加の社会的基盤—欧米と日本の比較
著者: 牧野暢男1
所属機関: 1日本女子大学文学部
ページ範囲:P.730 - P.734
文献購入ページに移動今日,住民参加が社会的論議の対象とされている社会には,共通の特徴があると考えてよいであろう.
第1に,そのような社会は,産業が高度化し,組織が巨大化した社会である.そこでは官僚制化がすすんでおり,個人は巨大な組織の中にくみ込まれ,自らを無力な存在として自覚するようになっている.また,官僚制は合理性を追求するところから,社会機構の専門化がすすみ,人間の情緒的・非合理的な面に対する配慮が欠けることにもなる.フランスの社会学者トレーヌが言うように,<官僚制的疎外>の進展にどう対処するかという課題にわれわれは直面しているのである.
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