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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生47巻12号

1983年12月発行

文献概要

特集 アルコール問題

「家族全体の病」としてのアルコール家族

著者: 榎本稔1

所属機関: 1東京工業大学保健管理センター

ページ範囲:P.802 - P.807

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■はじめに
 酒は古今東西あらゆる民族がそれぞれ独特の製法で,数百種類のアルコールをつくり,さまざまな儀礼と様式で飲み伝えてきた.そして歴史とともに,飲酒は社会・家族変動のもとで,アルコール依存(症)を醸成し,家族をその渦中に巻き込み,家族葛藤を惹き起し,家族崩壊へと導いている.アルコール依存症は社会文化的問題を内蔵し,心の病いに翻弄され,身体的疾患に冒された存在であるが,その治療教育を東京のN病院アルコール専門病棟(全開放)において行っている.その治療構造の一翼に「家族教室」(毎週火曜日午後)を開いて家族療法を行っているが,その治療教育過程から得られた「家族全体の病」としてのアルコール家族を粗描していくことにする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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