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特集 肺がん
文献概要
20世紀後半に世界的大流行を示した疾患として歴史にその名をとどめるものの第1に,私は肺がんを挙げたい.インフルエンザも確かに世界的流行病ではあるが,その波は急に高まり,急に消える.それに比べ肺がんは大きなうねりであって,死亡総数はイソフルエンザを上回る(日本では1963年以来大差).そして,この流行病が喫煙という人類の嗜癖によって大部分説明できるという点でも奇異な疾患である.まさに今やその撲滅を急がなければならない疾患である1,2).しかしこの大きなうねりは一朝一夕では潰れない.その対策は科学的次元から社会・文化的さらには政治・行政的次元にまで広げなければ果たしえない種類のものである.
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