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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生47巻3号

1983年03月発行

文献概要

特集 肺がん

生活環境,特に環境空気中の発がん関連物質について

著者: 松下秀鶴1

所属機関: 1国立公衆衛生院地域環境衛生学部

ページ範囲:P.184 - P.191

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 今日ほどがんに対する社会的関心が高まり,がん撲滅への要望が高まっている時代はないと思われる.諸種のがんのうち,われわれ日本人にとって重要なものは胃がんと肺がんである.特に後者は年々死亡率が急増しつつあり,それほど遠くない時期に胃がんを追い抜き,死亡率第1位となるものと推定されている.肺がん死亡率の増大は日本だけでなく世界主要国において広く認められている.この死亡率増大の原因には診断技術の向上や老齢人口の増大などの見掛けの増大も一部関与するが,その主因は環境発がん関連物質であると考えられている.
 発がん関連物質は,食物や水の摂取や空気の吸入により体内に侵入するほか,喫煙によっても侵入する.これらはすべて肺がんと関係があるが,特に強い関係があるのは空気の吸入および喫煙に伴う発がん関連物質であろう.そこでここでは,まず空気,特に環境大気中の発がん関連物質についてのべ,紙数の許すかぎり喫煙に伴う発がん関連物質についてのべることにする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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