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医薬品の製造承認制度
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ページ範囲:P.197 - P.199
文献購入ページに移動医薬品の製造承認制度とはどういったものかは,法律的にも,その実情もよく分らないけれど,わが国のいわゆる制度というもののすべてがそうであるように,その制度の運営はいいかげんなものであって,制度は,あくまでも建て前で必ず裏があるということを改めて立証してくれたのが,今度の"日本ケミファ事件"であろう.
昨今の新薬合戦はすさまじい夜が明けると新薬が一つ誕生するというほどで,特に抗生剤,降圧剤,そして問題になった,鎮痛抗炎症剤が際立って多い.社会の高齢化に比例して増加している腰痛,関節痛等を伴った疾患群に敏感に対応した製薬メーカーの動きそのものである.資本主義社会である以上競争して売り上げを伸ばし,もうけなければならないわけで,くすりとて例外ではない.もうけのために手段を選ばないのが,資本主義の本質であり常套である.今度のことが内部告発によったかどうかは審らかではないが,たまたま,ケミファが槍玉に上がったということである.厚生省と製薬メーカーとの癒着,製薬メーカーと研究者間の癒着が,当然のように罷り通っていたことに対する警鐘として,これらの癒着が根絶されれば甚だ結構なことだが,製薬メーカーが乱立し,新薬の開発に血道を上げ,販売合戦に鎬を削っている現状では,まず期待することは無理であろう.
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