icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生47巻4号

1983年04月発行

文献概要

特集 ウイルス感染症

遅発性ウイルス感染症

著者: 甲野禮作1

所属機関: 1埼玉医科大学細菌学教室

ページ範囲:P.232 - P.235

文献購入ページに移動
■遅発性ウイルス感染(症)とか何か
 そもそも遅発性ウイルス感染(症)はアイスランドの獣医学者ビヨルン・サイガードソン(Bjorn Sigurdsson)が1954年に提唱したもので,彼は次の5条件を満たす感染をそのようにいったのである.
 (1)数ヵ月から数年に及ぶ長い潜伏期の後に,(2)徐々に発病し,(3)規則正しい遷延性進行性の経過をとり,(4)予後の悪い病気で,(5)その感染は単一種の宿主に限られ,しかも一種の組織または器官に限られて起こるというものであった.今日でもこの定義はおおむね妥当であるが,(5)の条件は普通除かれている.遅発性感染というとき,潜伏期の異常な長さに重点がおかれているのがユニークな点である.サイガードソンはアイスランドにあるヒツジの病気Visna-Maediの研究中,これらの病気は従来の感染症と異なり,遅発性感染という新しいカテゴリーに属するものだとした.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら