文献詳細
文献概要
本の紹介
—福井作蔵ほか編—『生活微生物学』
著者: 豊川裕之1
所属機関: 1東京大学・疫学
ページ範囲:P.247 - P.247
文献購入ページに移動第一章の「生活微生物学とは」は扉として微生物の重要性を気付かせる内容であり,第2章以下は「天然食品の保存・流通と微生物」,「加工食品と微生物」,「食生活と微生物I(家庭発酵食品)」,「食生活と微生物II(調理環境と微生物)」,そして「社会生活と微生物」,「生活プロセスに由来する環境の異常とその正常化」の各章で食品衛生,微生物の活用等を生活の実際面に即して述べており,次いで「健康の維持と微生物」では微生物による疾病や医療品としての抗生物質などに触れ臨床医学的な領域についても説明している.さらに,この本の特色を形成することであるが,「文化と徴生物」の章の内容はおもしろい.酒や末来食の展望,エアコンと微生物,藍染め,文化財の保存,プラスチックと微生物,そして分子生物学と微生物など医学者にとっても教えられることが盛りだくさんである.このような内容の後に,本書としては最終コースに,初めて「微生物学の概要」(第10章)が登場する.
掲載誌情報