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特集 痴呆性老人のケア
老年期の痴呆性疾患の疫学と実態
著者: 長谷川和夫1
所属機関: 1聖マリアンナ医科大学神経精神科
ページ範囲:P.358 - P.363
文献購入ページに移動老年人口が全人口の7%を越える段階から,高齢化社会といわれるのであるが,わが国は1970年代に入ったとき,高齢化社会の仲間になったといえる.さらに21世紀にむかって,さらに人口の高齢化はすすみ,2000年では15.7%に入るといわれる.こうした人口の高齢化は,社会的に多様な問題を提起することになるが,精神医学の領域でも従来考えられなかった問題がおこりつつある.
大体老年期には,身体的にも,心理的にも,また環境的にも,精神の不健康にかかり易い悪条件がある.このために老人では若壮年者の3〜6倍の高い頻度で精神疾患にかかり易いとされる1).若年者の精神疾患罹病率が1.0〜1.5%とすると,65歳以上のもののそれは,3〜10%,と考えられる,これら老年期精神疾患のなかでも,痴呆性精神疾患は,高齢化とともに増加する傾向にあり,今後の対策がせまられている現状にある.
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