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発言あり
待合室禁煙
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ページ範囲:P.677 - P.679
文献購入ページに移動「たばこは生活の句読点」—紫煙をくゆらせながら静かにソファーに横たわる.これはまさしく何年か前までのくつろぎの象徴的ポーズであった.しかし,その一服のたばこも今や嫌煙権という言葉が日常化する世の中になり,次第に肩身の狭いものとなってきた.さて,"嫌煙権"問題が叫ばれてからすでに久しい.がん,呼吸器疾患,心疾患をはじめとして胎児にまでも影響するほか,たばこを吸わない人たちへの"間接喫煙"も問題になり,国会でも取り上げられた.厚生省は昭和59年3月5日付で都道府県知事に対し,指導を求める医務局長通知を出した.同省がたばこに関する通知を出したのは6年ぶりである.今回は国立病院だけでなく,開業医をはじめすべての医療機関を対象とした点に特色がある,同省は53年4月,国立病院長らに対し,外来待合室などの喫煙コーナー以外では,たばこを禁止させるよう通知で指示した.その結果厚生省直属の国立病院,療養所計286施設では喫煙場所が制限されている.しかし公立や民間の機関ではほとんど対策が立てられていない.今回の局長通知は「呼吸器系の病気を持つ患者や乳幼児が多く集まる内科,小児科を中心にたばこの煙を十分防止しなければならない」ということで,全医療施設が外来待合室の喫煙場所の制限,換気への配慮などを行うよう知事に指示してほしいということである.
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