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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生48巻10号

1984年10月発行

文献概要

特集 産業医活動

産業医の養成

著者: 土屋健三郎1

所属機関: 1産業医科大学

ページ範囲:P.689 - P.693

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■はじめに
 わが国においては,医師の養成制度はあるが,一口に言って公的な産業医の養成制度は存在していない.つまり,それは資格の問題に由来している.医師は大学医学部を卒業後,医師国家試験に合格することによって医師免許証が与えられ,医師としての資格を獲得する.つまり,大学医学部は医師養成のための施設(Institution)であり,国家試験を受けるためには大学医学部を卒業しておかなければならない.
 わが国では,安全衛生法の中で産業医の選任に関する規定はあるが,産業医がどのような資質を有しなければならないかも述べられておらず,産業医になるための国家試験が存在する訳でもない.一方,産業医は現実に存在し,また日本医師会は3日間の産業医学講習会に出席することによって産業医(嘱託産業医)として認定している.従って,少なくとも嘱託産業医養成のためのInstitutionが全くないというのは誤りであるとしても,後述するように,先進諸外国におけるような産業医養成の社会的仕組みは存在しないといっても過言ではない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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