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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生48巻10号

1984年10月発行

文献概要

特集 産業医活動

産業医の研修

著者: 高田勗1

所属機関: 1北里大学医学部公衆衛生学教室

ページ範囲:P.694 - P.698

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■産業医の研修に関する歴史的推移と現状
 わが国における「産業医」が制度として確立したのは,昭和47年「労働安全衛生法」制定に伴って,同法,第13条の規定により,常時50人以上の労働者を使用する事業場は,産業医の選任が義務づけられたことによる.しかしながら,今日でいう事業場における安全衛生管理体制のなかの,特に労働者の健康管理については,古くは明治44年の「工場法」以来,「工場医」という名称によって行われていた.昭和4年には「工場危険予防および衛生規則施行標準」により,工場医の月1回の巡回,年1回の健診が義務づけられていた.その後昭和22年に,「労働基準法」が制定され同法労働安全衛生規則により「衛生管理者」制度が施行され,医師衛生管理者となって,昭和46年まで労働者の衛生管理が行われてきたという歴史がある.
 医師が事業場の労働衛生管理活動にかかわるためには,活動の基盤となる産業医学の学術について,絶えず研修しなければならない.医師に対する産業医学の研修を本格的に行ったのは,昭和40年7月の日本医師会による「産業医学講習会」ということができる.勿論産業医学に関する学術研究の集団として,現在の「日本産業衛生学会」がある.本学会の歴史は,昭和4年の産業衛生協議会から始まって,昭和7年に日本産業衛生協会と改称し,昭和26年には,日本医学会の分科会として承認され現在に至っていて,50余年の歴史を有している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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