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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生48巻3号

1984年03月発行

特集 循環器疾患の疫学

虚血性心疾患の疫学と予防

著者: 堀部博1 青木伸雄1 笠置文善1

所属機関: 1国立循環器病センター疫学部

ページ範囲:P.166 - P.173

文献概要

■はじめに
 「虚血性心疾患」という言葉は,第8回改正国際疾病分類に採用され,それまでの「動脈硬化性ならびに変性性心疾患」よりは,遙かに概念が明確になった.虚血性心疾患というのは,虚血という病態生理学的な考えに基づいており,その原因は多彩である,このことを常に念頭において,その疫学と予防を考慮する必要がある.
 最近では,国際保健機構においても,世界の人口動態統計以外では,専門委員会などで虚血性心疾患よりも,「冠状動脈心疾患」(CHD=Coronary Heart Disease)という言葉を多く用いている.しかしこれは解剖学的になっただけで,その意味の広さにおいては大同小異であり,非特異的である.Hurstらは,冠状動脈心疾患を一般的な用語とし,それを2つに分け「冠状動脈粥状硬化性心疾患」とそれ以外のもの,「冠状動脈非粥状硬化性心疾患」にしている6).欧米先進国に虚血性心疾患が非常に多いのは,主として前者の粥状硬化性心疾患が多いためであり,冠状動脈性心疾患と同一視して用いられていることもある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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