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日本列島
歯科医療施設の急増と偏在
著者: 伊波茂雄1
所属機関: 1沖縄保健医療福祉事業団
ページ範囲:P.497 - P.497
文献購入ページに移動沖縄県内の歯科医師数は,県医務課の資料によると,昭和57年12月末現在268人で,人口10万人当たり23.7人,全国平均49.2人の48.2%となっている.これからみると,歯科医師の絶対数は不足している状況にあるといえる.
歯科診療所数の推移をみると,昭和42年には110,53年には169で,その間の年平均増加数は5であったが,54年には16,55年15,56年14,57年には20,58年には40と急増している.59年でも1月から4月21日迄に14の新設届があった.昭和57年末現在の歯科診療所数は234で,人口10万対20.7,全国平均35.1の59%となっているが,これを保健所管轄地域別にみると,人口約30万人の那覇市(中央保健所管轄)には99(人口10万対33)となり,ほぼ全国水準に近い。新規の歯科診療所は,人口の集中している沖縄本島の中南部に多く,特に那覇市内かその周辺に設置されているようである.このように診療所の急増してきたことによるかどうかは断定できないが,従来の診療時間が,祝祭日,休日休診,診療時間9-18時となっていたのが,年中無休や,夜9時迄開院する診療所も出てきており,利用者にとっては便利になっている.また医務課に今年に入って廃業届をした歯科診療所が9あったが,一部は移転もあるということである.都市地区に新規開業が集中する傾向はこれまでにもあり,昭和57年末現在で歯科診療所の無い町村が53市町村のうち19もある.
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