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講座 臨床から公衆衛生へ—感染症シリーズ
性行為感染症(STD)—とくに梅毒,りん病・AIDSの動向(1)
著者: 芦沢正見1
所属機関: 1国立公衆衛生院疫学部
ページ範囲:P.591 - P.594
文献購入ページに移動性行為感染症(STD)とは,Sexually Transmitted Diseasesの略称である.戦後の性風俗の多様化・「性」の商品化・企業化がもたらす性行為の極端なまでのバリエーションは,これまで予期されなかった感染症(たとえば腸管感染症や咽頭感染症)が,口腔—性器,肛門性交等の行為を介して,パートナーからパートナーにうつし,うつされることが判明し,性病は従来の古典的な梅毒・りん病・軟性下かんといった枠では収まらず,生物分類からみても,広いスペクトルをもつ感染症の一群となり,それに対して,STDという概念が好んで用いられる.
"Journal of American Venereal Diseases Association"は,1974年再刊の際,"Sexually Transmitted Diseases"という誌名によそおいを変えた1).また翌1975年の第28回WHO総会の技術討議は,「性病—その社会的側面—」というテーマで開かれたが2〜4),その際,VDのかわりにSTDの呼称が使われている.
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